言問通ラブストーリー

入谷は狙い目なのか。統計的に独身情弱男性が多いからなのか。その邂逅は突然に訪れた。

「すみません。少しお時間よろしいでしょうか?!」

Airpodsを両耳に、tofubeatsをキメている僕に、明るく、爽やかに、初対面の距離感なんて最初から存在しないと決めつけていそうな女性の声が降りかかった。
最初は僕に話しかけているなんて思いもしなかった。

声の存在には気付きながらも、まさか僕に声をかけているとは思わず、更に半歩程歩を進めた所で、斜め右斜め後しろから、その声の持ち主である女性がすっと顔を覗かせた。

「すみません。少しお時間貰ってもよろしいでしょうか、、」

申し訳なさそうに僕に声をかけてくる女性は、20台前半から中盤の見た目。
髪はロングで明るい色合い。12トーンくらいか。
弾ける笑顔から性格は明るく、物怖じをしなさそうな雰囲気。
男は皆、自分に悪い印象を持たないことをこれまでの人生で完全に理解している。
背は160台中盤。男受けしそうな、柔らかく、明るく、それでいて少し隙を覗かせる雰囲気。もちろんマスクをしているので、鼻から下は想像するしかなかった。

「…僕ですか?」
「はい、そうです!」